はじめに
今回はドット絵のアニメーションでよく使われる
「おばけ」について説明します。
もともと「おばけ」というのは、
少ない予算・短い納期のTVアニメなどで
「動きのあるアニメーションを少ないコマ数で実現するには?」
という問題を解決するために生み出された手法のようです。
「おばけ」は、プログラムで言えば「ブラー(残像)」とほぼ同義ですが、
アニメーションならでは手法があって面白いです。
あと、アニメーションの定義として、
- 開始動作と終了動作の間を補完するものがアニメーション
という考え方を押さえておくと、理解しやすいと思います。
引き伸ばし
まずは引き伸ばしからです。
例えば、左上から右下にアニメーションを行うとします。
その場合に、その中間部分をずりっと引き伸ばしたのが、「引き延ばし」です。
(まんまですね)
これにより、単に物体を移動させるよりも、
ダイナミックな動きを表現することができます。
剣を振った後に軌道を一瞬表示するのも、これの応用ですね。
ギザギザ引き伸ばし
引き伸ばしをシャープに見せたい場合は、先端をギザギザにします。
逆に先端を丸っこくすると、まろやかな動きになりますね(´▽`
応用
手をバタバタさせる動きを考えてみます。
おばけフレームは、3・6フレーム目になります。
手は腕に比べて大きいので残像として残します。
また、腕を動かす軌道をかすかに残像として残します。
また、おばけフレームと非おばけフレームの割合が1:2と、
非おばけフレームの割合が多くなっていますが、これは、
「人は動いているものを認識しにくい」
という現象を利用したからです。
これを「タメ」とか「ツメ」などと言います。
これにより、少ないコマ数でそれっぽい動きを表現することができます。